機関車~小坂忠
75年に出した4枚目のスタジオアルバムの2曲目。細野晴臣レイヤーというか、はっぴーえんど、ティンパンアレー、キャラメル・ママ、フォージョー・ハーフ、シュガーベイブなどいわば後々団塊の世代と言われる東京のツワモノがこぼした名品。
アルバムタイトル曲でもある「HORO」ももちろん大事な曲であるがやはりここは「機関車」だろう。「HORO」がR&Bのバックビートだとしたら「機関車」は完全にブルースのバックビート。こっちの方が、単純に「くる」!
とにかくメンバーが異様。ベースが細野晴臣、ギターが鈴木茂、ドラムが鈴木立夫、キーボードが松任谷正隆と矢野顕子、コーラスが吉田美奈子、山下達郎、大貫妙子、ストリングスアレンジが矢野誠。とにかく異様なメンツ。
という事で「機関車」である。ポイントは3つ。
①松任谷正隆のハモンドと吉田美奈子のコーラスに悶絶!
②細野晴臣と林立夫のグルーブにダブル悶絶!!
③機関車に乗った青年は2024年の今をどう思うのか?
親も死に、友も死に、体はガタが来ている。あの時に確かに残した歯形も風に削られている。それでも日は昇り、そして暮れていく。「藍色した嘘の煙」に燻され続けた人生を明日にどうするつもりなのだろう。静かなる胎動に血管が疼く名曲だ。
忘れものは もうありませんねと
機関車は走るのです
君はいつでも僕の影を
踏みながら
先へ先へと走るのです
目がつぶれ
耳も聞こえなくなって
それに手まで縛られても
乗り遅れまいと 急ぎすぎた僕は
もう止まらない レールの上
藍色した嘘の煙を
はきながら
僕は君を愛しているんだ
目がつぶれ
耳も聞こえなくなって
それに手まで縛られても
https://youtu.be/cL94G2xMEqI